ガバナンス

気候変動リスクマネジメント

エクイニクスは世界的な気候変動の緊急性を認識しており、気候変動リスクマネジメント施策の改善と向上を約束しています。アカウンティング・フォア・サステナビリティ(A4S)との連携を通じて、可能かつ適切な場合、気候変動に関するリスクマネジメントを当社の事業に組み込んでいます。当社の環境サステナビリティならびに世界的気候変動に関するポリシーには、環境、気候変動、資源の有効化、報告についてが記述されています。

I当社のIBXで行っている評価には、地震火事、洪水といった地域的環境要素、ならびにこれらの影響の軽減策が含まれています。評価結果は弊社のグローバル設計標準に組み込まれ、グローバルリスク&セキュリティ担当副社長に定期的に報告されます。また洪水リスクのあるIBXデータセンターについては公式な水害対応計画を策定しています。

2021年、当社の業務プロセスにおいてより全体的なアプローチを構築するため、TCFDに従った気候リスク分析を開始しました。当社の事業への気候変動の影響に備えるために、エクイニクスはシナリオ分析を用いることで物理的リスクと移行リスクを評価しようとしています。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)との整合性

エクイニクスは、財務報告に気候変動リスクに関する透明性を含めるというTCFDの目標を支援し続けています。当社の最新のサステナビリティ報告書はTCFDガイダンスによく合致していると考えており、今後も当社の戦略・報告をこの枠組みに基づいて構築していきます。

情報開示 リスポンス
ガバナンス
気候変動関連のリスクおよび機会に関わる取締役会のガバナンスを開示する 気候変動リスクに関してはエクイニクスの指名・ガバナンス委員会が最終責任を有しており、サステナビリティ・プログラム・オフィス (Sustainability Program Office (SPO))が必要に応じ定期的な報告を実施しています。取締役会ならびに指名・ガバナンス委員会は、報告された気候変動リスクを含む主要なリスクを管理し、全社事業戦略との完全な整合性を確保しています。取締役会内の指名・ガバナンス委員会は気候変動リスクを管理するために、企業リスクマネジメントチーム、政府関連チーム、事業継続プログラムオフィス(Business Continuity Program Office (BCPO ))、サステナビリティ・プログラム・オフィス (SPO)を含む複数の部門から報告を受けています。エクイニクスの指名・ガバナンス委員会憲章に基づき、同委員会は年3回以上開催され、必要に応じ追加協議が行われています。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C1.1, C1.1a, C1.1bを参照のこと。

気候変動関連のリスクおよび機会の評価と管理における経営者の役割を開示する エクイニクスは、気候変動リスクの管理は部門横断で行わなければならないと認識しており、データセンターの建設・所有・運用という当社の事業の性質を考えると、気候変動に関する物理的リスク(異常気象など)ならびに移行リスク(エネルギー価格など)は事業にとって非常に重要です。事業の成功を継続させるため、当社は気象変動関連リスクおよび機会の評価と管理における、当社CEO、CFO、サステナビリティ・プログラム・オフィス、グローバル・オペレーションなどの他の関連部門による多層的なアプローチを確立しています。

エクイニクスのCEOは社内の最高責任者であり、気候変動リスクの軽減・受容といったサステナビリティ関連の事項についての執行責任者でもあります。CEOはサステナビリティ執行運営委員会と共同して、当社が気候関連のリスクおよび機会に対処するための戦略とプログラム、たとえば再生可能エネルギーを100%購入することによるCO2排出量の削減などを管理しています。

エクイニクスのCFOはCEOの直属であり、四半期ごとに開催されるサステナビリティ運営委員会のメンバーでもあります。エクイニクスがAccounting for Sustainability (A4S) 米国支部の会員であることから分かるように、当社は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を支援しています。A4Sを通じて、エクイニクスのCFOは非財務リスクに関する透明性の向上に努めています。サステナビリティ・プログラム・オフィス (SPO)はCFOの直属であり、CFOにはCDP気候関連指標などの当社の気候変動関連のサステナビリティ指標の向上についてのインセンティブが与えられています。CFOはまたエクイニクス全社のの財務・予算を管理しており、これは気候変動関連のプロジェクトの実施に直接影響するものです。

エクイニクスのサステナビリティ・プログラム・オフィス (SPO)は、財務ならびにサステナビリティ担当上級副社長に率いられています。サステナビリティ・プログラム・オフィスは組織全体と連携し、当社の気候変動関連戦略の発展の方針を含むサステナビリティ戦略を決定・推進します。サステナビリティ・プログラム・オフィス は当社の思想的リーダーシップ、知識、ならびにプログラム管理を提供します。これにより、さまざまな重要な事項にわたる気候変動関連リスクマネジメントを発展させ、また再生可能エネルギー、省エネルギー、設計標準といった他の機能分野と協力するための人材、プログラム、システムを当社が有するようにしています。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C1.1a, C1.1b, C1.2a, C1.3aを参照のこと。

戦略
組織が特定した気候変動関連の短期・中期・長期のリスクおよび機会を開示する エクイニクスは、気候に関連するいくつかのリスクと機会を特定しています。

  • 物理的リスク
    • 急な物理的リスク:当社のオフィスならびにIBXデータセンターは、異常気象、熱波、洪水、自然災害などの気候変動による物理的影響などの要因から生じるリスクにさらされています。このため、運用上必要となるデータセンターにおける温度・内部環境の維持のためのエネルギー使用量の増加、サービス中断、設備の損傷、建物構造の変更などに起因する運用コストの大幅な増加の可能性があります。
  • 移行リスク
    • マーケット:エクイニクスは、発電・送電・配電のコスト・税金における市場力学や新たな規制、および石炭・石油・天然ガス分野における市場要因による物価の変動といった、エネルギー価格の変更リスクにさらされています。競争力を維持するため、建設・運用における電力需要と、気候変動リスクによる潜在的影響の低減の両方について、当社はコントロールする必要があります。
    • 法規制:温室効果ガス(GHG)排出に関する新たな規制に起因する、化石燃料による発電量の削減、高コストの発電方法を使用する義務、発電や電力使用に対する課税や料金支払による、電力コストの増加の可能性があります。また州の法規制によっても当社の電力コストが増加する可能性があります。これまでのところ州制度による当社の電力コストの悪影響はありませんが、一部の州制度は市場主導型であるため将来的に電力コストに大きな影響を与える可能性があります。
  • 機会
    • 製品・サービス:エクイニクスは技術トレンドの交点に位置しており、世界中に低炭素型データセンターサービスを提供するという他に類を見ない能力を有しています。エクイニクスは、サステナビリティ・省エネルギー・再生可能エネルギーを組み入れた製品とサービスを顧客に提供しており、これにより顧客のIT基盤に関連する二酸化炭素排出量の削減を支援しています。
    • エネルギー源:当社の二酸化炭素排出量を削減し顧客に低炭素型サービスを提供するため、また新たな再生可能エネルギー源といったエネルギー利用の改善のため、エクイニクスは再生可能エネルギーの利用に注力しています。再生可能エネルギーへの依存度を高めることは、エネルギー関連リスクを低減するだけでなく、エクイニクスと関係者に対しコスト削減、信頼性向上、エネルギー利用改善といった機会を提供します。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C2.1a, C2.3, C2.3a, C2.4, C2.4aを参照のこと。

気候変動関連のリスクおよび機会が組織の事業・戦略・財務計画に及ぼす影響を開示する。 エクイニクスは年次財務計画ならびに事業戦略を電力価格、再生可能エネルギー目標、顧客のニーズにあわせて見直ししており、気候変動に関する新たなリスクおよび機会に応じて当社の戦略とプログラムを発展させています。

当社の製品とサービスに関連する移行リスクおよび機会を管理するため、エクイニクスは最高クラスのデータセンター向け省電力化技術・イノベーション・戦略を展開することを目指しています。当社はまた、当社データセンターを高い運用基準で設計・建設・運用し、再生可能エネルギーの調達に重点を置く運用戦略を発展させ、グローバル基盤全体において100%の再生可能エネルギー利用を長期目標として掲げています。

気候関連のリスクおよび機会は当社の電力サプライチェーンに影響を与えており、その結果当社は世界中で再生可能エネルギーを優先的に購入することになりました。当社はまた、気候中立という大望と、2030年の「科学と整合した目標設定(SBT)」を設定しています。

物理的リスクを管理するため、当社のグローバル及び各サイトのオペレーションチームは、各地域における温度・気候レジーム・異常気象のパターンに適合するインフラ変更やプロセス改善についての研究開発と評価を行っています。当社の機械・電気エンジニアは、コスト削減と信頼性・弾力性の強化のために新たな技術とプロセスの導入に取り組み続けています。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C3.1b, C3.1d, C3.1eを参照のこと。

「2℃またはそれ以下のシナリオ」を含む、気候関連の異なるシナリオを考慮した組織戦略の弾力性について開示する。 過去数年にわたる有機的な事業成長、全世界におけるM&Aといった様々な理由から、エクイニクスは気候変動に関するシナリオ分析を導入していませんでした。当社のポートフォリオの急激な拡大により、潜在的な経路と結果を構築するための定量的データの入手は困難となっています。2021年、エクイニクスはリスクおよび機会をモデル化し評価するための気候変動シナリオ分析の第1フェーズを開始しました。エクイニクスは、気候変動がもたらす潜在的影響範囲を示す定性的なシナリオを作成することを目指しています。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C3.2, C3.2bを参照のこと。

リスクマネジメント
気候変動関連のリスクを選別・評価する組織のプロセスを開示する エクイニクスの企業リスクマネジメントチーム(ERM)と事業継続プログラム(BCP)チームは、気候変動関連の脅威・リスク・機会の影響を最小化するために、リスクおよび結果を特定・優先付け・評価する責任を有しています。

全社レベルでリスクを特定・評価するため、企業リスクマネジメントチームはインタビューや調査を通じて、事業における重要リスクを特定します。事業リスクには電力に関する気象関連リスク(供給者の可用性、信頼性、価格)や、移行リスク(需要者の消費者選好、再生可能エネルギーポリシー、技術的な混乱)、ならびに物理的リスク(地震、台風、洪水)が含まれます。企業リスクマネジメントチームはリスクアセスメントの実施後、リスクの評価と優先付けの結果に基づいてリスクマップを作成し、年間を通じて管理します

資産(データセンター)レベルにおいては、被災しうる自然災害の特定と検討が、サイト選定プロセスにおいて事業計画の一部として行われます。当該場所に特有の課題を認識し、被災に対処するための可能な設計対策を実施するために、この情報は設計・建設チームに提供されます。事業継続プログラムチームは年次の脅威とリスク評価を各データセンターごとに毎年行い、潜在的な主要課題ならびにその影響と起こりやすさを特定します。この情報は事業継続執行運営委員会にて報告されます。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C2.1b, C2.2, C2.2aを参照のこと。

気候変動関連のリスクを管理する組織のプロセスを開示する 特定された気候関連リスクは、個々のリスクに対する管理と責任を持つビジネスオーナーにより管理されます。リスクの適切な軽減・管理・監視のため、エクイニクスの経営陣と取締役会への一連の内部報告が行われます。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C2.1b, C2.2, C2.2a, C3.1d, C3.1eを参照のこと。

気候変動関連のリスクの識別・評価・管理を組織の全体的なリスクマネジメントに統合する組織のプロセスを開示する。 戦略的・財務的・事業・法規制リスクについて、企業リスクマネジメントプロセスにより企業レベルでの評価が行われます。企業リスクマネジメントプロセスには調査やインタビューによる定期的なリスク評価、リスク軽減の評価を含む重要リスクの詳細評価、定期的なモニタリングと経営陣と取締役会への報告が含まれます。

資産(データセンター)レベルにおいては、被災しうる自然災害の特定と検討が、サイト選定プロセスにおいて事業計画の一部として行われます。当該場所に特有の課題を認識し、被災に対処するための可能な設計対策を実施するために、この情報は設計・建設チームに提供されます。事業継続プログラムチームは年次の脅威とリスク評価を各データセンターごとに毎年行い、潜在的な主要課題ならびにその影響と起こりやすさを特定します。この情報は事業継続執行運営委員会にて報告されます。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C2.1b, C2.2, and C2.2aを参照のこと。

指標と目標
組織の戦略とリスクマネジメントプロセスに従い、気候変動関連のリスクおよび機会を評価する際に使用する指標を開示する エクイニクスでは、気候関連リスクにおける戦略的に重要な影響は、変動的であり不確実でありまた一般的な財務リスクで考えられているよりもより長い時間枠にわたる影響と定義しています。定量的な観点から、エクイニクスはリスクの大きさを評価する際に、起こりやすさと重大性の両方を考慮しています。2~5年に1度発生し、当社営業利益の10%の影響を与えるものを、戦略的に重要な気候関連リスクと定義しています。

サイトレベルのリスクについては、気象変動リスクを含め、(5.0点満点中)2.0点以上の残余リスクスコアを持つものを重要なリスクとしています。リスクスコアは、起こりやすさ、人的(死亡や怪我など)、資産(逸失、故障など)、事業(マーケットシェア、風評被害など)への影響に基づいて評価され、数値化されています。このスコアに基づき可能な追加のリスク軽減策の特定と実施が求められ、文書化・追跡されます。

再生可能エネルギーと二酸化炭素排出量削減目標により、管理・軽減されるリスクおよび機会は重要なものとみなされています。当社のCEO, CFO, サステナビリティ・プログラム・オフィス (SPO)ならびにグローバルオペレーションチームなどの他の関連グループは、長期的な事業価値とリスク軽減、ESG指数や顧客満足度のスコア向上といった、指標の進捗状況や関連業績に基づき評価されており、評価は報酬決定の検討材料となっています。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C1.3a, C2.1b, C2.2, C4.1, C4.1a, C4.1b, C4.2, C4.2aを参照のこと。

スコープ1、スコープ2、適切な場合にはスコープ3の温室効果ガス(GHG)排出量、ならびにそれに関連するリスクを開示する。 温室効果ガス(GHG)排出量は「二酸化炭素排出量」の項目で開示しています。


追加情報については、同社のCDP回答質問C6.1、C6.3、C6.5を参照のこと。

気候変動に関連するリスクおよび機会を管理するために組織が用いている目標と、目標の達成状況を開示する。 エクイニクスはグローバル全体の運用において、100%再生可能エネルギーを目標としています。電力に起因するスコープ2(マーケット基準)の排出量を、2015年基準(766,000 mtCO2e)から100%削減することに相当します。

エクイニクスの「科学と整合した目標設定(SBT)」は、当社の再生可能エネルギー利用という目標の進捗についてのものであり、スコープ1排出量、スコープ2排出量を50%削減することとしています。またスコープ3排出量について、燃料およびエネルギー関連活動(FERA) による上流での排出量50%削減、購入品・サービス・資本財のカテゴリーにおけるサプライヤーの排出量という観点で対応しています。
また、スコープ1排出量、スコープ2排出量について2030年の気候中立という目標を設定しています。

追加情報については「CDP気候変動質問書への回答」の質問C4.1, C4.1a, C4.1b, C4.2, C4.2aを参照のこと。

サイバーセキュリティとデータプライバシー

進化する地域のデータプライバシーおよびセキュリティ要件との整合性