環境

運用効率

エクイニクスは、自社のデータセンター及びオフィスの運用効率化に努めています。私たちは、これまでエネルギー効率化のために多くの投資をしてきました。2011年以降、データセンターのエネルギー効率化のために、1億5800万ドル以上を投資し、更に数百万ドルを実行に移しています。これまでの削減実績は、2021年に完了したプロジェクトによる約15,500kWを含め、約47,500kWです。これは、年間で約415,000MWhに相当します。

2011-2021

~$158M
エネルギー効率化投資額

しかし、運用効率化とはエネルギー効率化だけではありません。私たちは、エネルギー、水、廃棄物を削減し、循環型経済の原則を事業とサプライチェーンに組み込むための全体戦略を実行しています。

私たちの取り組みの一部は「グリーンボンド」によって支えられています。エネルギー効率化のカテゴリーで、現在までに400万ドル以上が割り当てられ、年間で約31,000MWhの削減を実現しています。

EE CoEの取り組み

当社のEE CoE(Energy Efficiency Center of Excellence)は、2020年の発足以降、大きな進歩を遂げています。エンジニアリング主導のEE CoEプログラムは、継続的なイノベーションとインフラのアップグレードを促進し、当社のデータセンターポートフォリオにおいて重要な持続可能な技術による影響を最大化します。長期的かつ統一されたアプローチで、より高いPUE目標を達成するために、現地のオペレーションチームをサポートすることで実現しています。

アプローチについては、ツールボックスの中で定められており、全てのデータセンターで共有されています。このツールボックスは、設備の更新やアップグレードにおいて、投資を誘導し、機会を捉える為のステップバイステップのガイドを提供します。このガイドには、エネルギーの基礎知識、効率化プログラム、KPIの測定方法などの教育情報も含まれています。

このプログラムでは、全てのデータセンターに対して、水と空気の送り温度と戻り温度を4つのKPIで評価し、どのようにパフォーマンスを向上させるか追跡する5年計画の策定を義務付けています。このKPIには一貫性があり、異なる性質のデータセンターでもその進捗を測定することができます。5年計画の枠組みには、エネルギー削減量の計算、ビジネスケースの作成、プロジェクト資金の獲得に役立つ情報も含まれています。

このプラグラムにより、データセンターの効率化についてエンジニアやお客様の意識を高める掲示、ブランクパネル、給気と還気の分離を最大化する為のコールドアイルもしくはホットアイルコンテインメントの設置などにおいて、費用対効果の高いグローバル調達契約を促進させることもできました。

EE CoEは迅速な進展を促し、28のパイロットサイトはプログラム参加からわずか1年で大幅な改善を達成しました。特にオーストラリアでは、ツールボックスを活用し、プログラムに忠実に従った結果、国全体で10%のPUE削減を達成しました。

また、EE CoEは、エネルギー効率化のデジタルダッシュボードを作成し、KPIに対する進捗状況や情報の一元化を促進するなど、成果を上げています。今後は、新しい技術の実証実験も実施していく予定です。

EE CoEのエネルギー効率化プログラム

エネルギー効率化センターオブエクセレンスのアプローチ。 フェーズ1:空気の封じ込めを最適化する - 給気と還気の分離を最大化する。 例ホットアイルやコールドアイルの封じ込め、ブランキングパネルの設置、その他の空気漏れの除去など。 フェーズ2:データホールの冷却装置の最適化 - データホールの冷却装置のセットポイントおよび制御システムの最適化。 例供給空気を実際の必要量に調整する。 フェーズ3:冷却分布の最適化 - 要求される状況に合わせて配水システムを最適化する。 例水流や圧力を調整する フェーズ4:冷却生成の最適化 - 冷却生成プラントの設計を最適化する。 例:自由冷却能力の追加

PUE

エクイニクスは、PUE(Power Usage Effectiveness)をサステナビリティの重要な指標と考えています。私たちは、全ての新規及び拡張のデータセンターで高い目標を掲げて設計しています。また、世界中の全てのデータセンターでPUEを測定しています。

PUEは、データセンターにおける電力使用量の長期的な傾向を把握し、設計や運用上の分析に役立ちます。PUEが「1」に近い程、エネルギー効率が高いことを意味します。

2020年のグリーンファイナンスフレームワークでは、業界ベンチマークを上回る設計PUEが1.45以上の建物に投資するとされています。

現在の設計PUEの目標は1.20-1.40であり、これは8-10%の効率化に相当します。立地や気候にもよりますが、多くの新しいデータセンターは最大負荷で1.20を下回るように設計されています。

私たちは、エネルギー効率化への投資、ベストプラクティス、運用改善の組み合わせにより、PUEの目標達成を目指しています。周囲の環境や条件を改善することで、PUEが更に下がることを期待しています。2015年以降、エクイニクスはポートフォリオを拡大しつつ、PUEを1.62から1.48に改善させました。2020年と2021年を比較すると、PUEは5.5%と大幅に改善しました。

2019年から2021年にかけての地域別・世界別の平均電力使用量の効果を経年変化で年率換算したもの。 グローバルPUEは、2019年の1.54から2020年に1.51、2021年に1.48に低減しました。

持続可能な水管理

すべての企業が天然資源の消費を制限しなければならないという認識が広がっています。エネルギー使用はエクイニクスの活動の中で最も環境に影響を与えますが、データセンターの冷却に使用する大量の水の管理と削減にも取り組んでいます。

エクイニクスは、データセンターの設計と運営、また、そこで消費されるエネルギーの生産において、水使用量を考慮しています。効率的な冷却システムには水が重要ですが、水への依存度が高く、環境への悪影響やビジネス上のリスクが大きい場合は、乾式冷却方式が採用されます。

エクイニクスは、2021年に持続可能な水管理プログラムを開始し、水戦略の基盤作りに取り組みました。全拠点で水使用量の管理支援ツールを導入し、WUE(Water Usage Effectiveness)の基準値を作成し、以降のアクションに役立てました。このデータはDCIMモニタリングシステムに入力され、水使用量の削減について全体像を把握することができるようになります。水に関係するチームとプラットフォームを構築することで、水使用量を削減するためのグローバルな取り組みを考え、私たちがサービスを提供するコミュニティで環境への影響を軽減する役割を果たすことができるように更なるイノベーションを検討しています。

私たちは、業界のパートナーと協力して、水を使う場合と使わない場合の両方について、高度な冷却技術開発の評価を続けています。また、水ストレスがあるサイトを特定する為に水リスク評価を行い、様々な規制を調査して、導入する必要がある技術を決定しています。水ストレスレベルを考慮し、帯水層や自然水の使用、生活排水を中間処理に使用するなど、水使用量を最小限に抑える技術を積極的に研究・採用しています。

もう1つの重要な環境への配慮として、事業活動における水処理薬品の使用です。現在、いくつかのデータセンターで、化学物質を使用せずに水使用量を削減出来る革新的な技術を試験的に導入しています。今後、効果が確認できた技術については、パイロット版として全世界に導入していく予定です。

節水しながら地域に貢献する技術

エクイニクスのアムステルダムのデータセンター(AM3,4,5,6)では、帯水層蓄熱システム(ATES)により、冷たい外気と地下水を冷媒として最大限活用してコロケーションルームの空気を冷却し、従来の機械式冷却を不要にしました。効率的に排熱を行うことで水使用量の削減を実現し、WUEは1L/kWhを下回りました。従来の冷却塔と比較して、ハイブリッド冷却方式は年間の水使用量を最大で約75%削減することができます。また、AM3の余熱は、アムステルダム大学や近隣の建物で暖房に利用されています。

また、発電には大量の水を必要とする為、データセンター全体の電力使用量を最小限に抑えるようにしています。その一環として、水を一切使用しない燃料電池などをオンサイト発電の代替手段として検討しています。2017年以降、当社の燃料電池の採用により、年間で約370億galの水使用量を削減することができています。

廃棄物処理

エクイニクスでは、データセンターでITインフラを所有又は運用するお客様との独自の関係により、廃棄物問題が新たな課題となっています。有害廃棄物やE-wasteを含む廃棄物の適切な管理と処分に対する当社の責任は、EMEAではISO14001によって定められています。

この問題に対して、私たちは2020年に、廃棄物の処理方法の地域差を考慮し、主要なコミットメントを定義するグローバル廃棄物ポリシーを策定しました。EU Climate Neutral Data Centre Operator Pactの一環として、サーバ、電子機器、その他関連する電子部品の耐用年数を延ばすため、業界内の同業者と協力していきます。廃棄物の転換やゼロエミッションのコンセプトやポリシーの検討は、エクイニクスにとって大きな関心事です。

また、サステナビリティのベストプラクティスをお客様にお伝えし、循環型経済の原則を企業の廃棄物管理にも組み込むため、各拠点で活動を拡大しています。

健全で持続可能なオフィス

世界中のエクイニクスのチームは、職場と文化においてサステナビリティを推進しています。